グリーンランド山頂に降雨 観測史上初

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グリーンランドの氷床を流れる水。氷が溶けて低地に向かって流れている=2007年/Uriel Sinai/Getty Images

グリーンランドの氷床を流れる水。氷が溶けて低地に向かって流れている=2007年/Uriel Sinai/Getty Images

(CNN) 標高3000メートルを超すグリーンランドの山頂で、14日に降雨が観測された。雪ではなく雨が降ったのは、観測史上初めてだった。

山頂の気温は先の週末にかけ、氷点下を超えて上昇した。氷点下を上回ったのはこの10年足らずで3度目。同地は暖気の影響で豪雨に見舞われ、氷床の上に70億トンもの水が降り注いでいた。

米国立雪氷データセンターによると、降雨量は1950年に記録を取り始めて以来、最も多く、15日に失われた氷の質量は平年の1日平均の7倍に上った。

米国立雪氷データセンターの研究員テッド・スカンボス氏はCNNに対し、この現象はグリーンランドの温暖化が急速に進んでいる証しだと述べ、「これは単純に気候パターンが変動する中で10年か20年温かさが続くといった現象ではない」「前代未聞だ」と指摘した。

雪の上に雨が降ったことでできた薄い氷片=14日、グリーンランド山頂/ Alicia Bradley/National Science Foundation
雪の上に雨が降ったことでできた薄い氷片=14日、グリーンランド山頂/ Alicia Bradley/National Science Foundation

米国立科学財団のサミットステーションは、グリーンランドの氷床で最も標高が高い場所にあり、ここを拠点として北極圏の天候や氷の変化を観測している。1989年からは職員が常駐。今回の豪雨の大部分は、グリーンランド南東の沿岸部からサミットステーションにかけての一帯で観測された。

米国立科学財団のジェニファー・マーサー氏は、豪雨の影響でサミットステーションの運営も変更する必要が生じると述べ、「同ステーションの運営史上、経験したことのない気象現象を考慮する必要がある」と説明。「氷の融解、強風、そして今回の雨といった気象現象が、過去10年の間に平常とみなされる範囲を越えて発生している」「その発生頻度は増す一方のようだ」と話している。

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