豪首都、議事堂と首相官邸に落書き 環境政策に抗議
(CNN) オーストラリアの首都キャンベラにある国会議事堂と首相官邸で10日午前、連邦政府の環境政策に抗議の意思を示すメッセージがスプレー塗料で落書きされた。
現地からの写真には、議事堂の入り口と官邸の壁面にそれぞれ吹き付けられた「注意義務」の文字と、環境団体「エクスティンクション・リベリオン」のロゴが写っている。
首都警察は同日午前に両現場付近で、建造物等損壊容疑の8人を逮捕した。
これに先立ち、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9日、地球温暖化に関する最新版の報告書を公表していた。
特にオーストラリアでは高い確率で山林火災の起きやすい天候や干ばつ、サイクロンの増加などが予想されると指摘された。
豪連邦政府はかねて国内外から、温室効果ガス削減に向けた行動が不十分だと批判を浴びてきた。米国や中国、欧州連合(EU)は2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標を掲げているのに対し、同国は未採用だ。化石燃料への依存度も高く、昨年11月の報告では1人当たりの温室効果ガス排出量が経済協力開発機構(OECD)平均の3倍に上っていた。
モリソン首相は10日、落書きを「自分勝手で愚か」な行為と非難。連邦政府には気候変動対策の計画があると強調したが、50年までのゼロ排出目標は依然として公言しなかった。