アップルCEOの報酬114億円、大手助言会社が株主に反対呼びかけ
ニューヨーク(CNN Business) 株価の上昇で時価総額が世界一になった米アップル。その実績が評価され、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は2021年、1億ドル近い報酬を受け取ることになっている。
これに対して有力議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が16日に発表した報告書で、クック氏に付与される株式に関して「重大な懸念」を表明した。
ISSは投資家に対し、3月4日に開かれる株主総会でクック氏の報酬に関する議案に反対票を投じるよう呼びかけている。
米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、クック氏は年間300万ドルの給与や賞与に加え、8230万ドル相当を株式で受け取ることになっている。総額は9870万ドル(約114億円)となり、20年の1480万ドルから大幅に増える。
ISSはこの報酬について「半分は業績基準を欠いている」と指摘。さらに、この総額が21年以降の報酬もカバーしているのかどうかに関する詳細をアップルが明らかにしていないと述べ、金額の大きさを考えるとそのことに懸念があるとした。
「クックCEOが付与日から1年後に退職待遇を受けられることを考えると、この報酬の保持価値は限られる」(ISS)
クック氏に付与されたオプションが引退後も持続することに対してもISSは異議を唱え、アップルがクック氏をCEOにとどまらせるためにこれほど巨額のインセンティブを付与する必要はないと論じている。
アップルはISSの報告に対してノーコメントだった。ただ、ISSの提案は議決権行使助言大手のグラス・ルイスも支持している。