もう見納め? 「絶滅危惧種」となった旅のアイテム10選
しかし写真フィルムで一時代を築いた米コダック社は2012年、デジタル事業に注力して破産法適用からの脱却を図るべくフィルム部門を売却、スライド製造から事実上撤退した。同社は需要不足が理由としている。
旅写真のスライドが居間の壁に大きく投影されたのも今は昔。現在では2インチのデジタル画面に目を凝らすばかりだ。
3.旅行ガイドブック
昔ながらの旅行ガイドブックが断末魔の苦境にあえぐ中、2013年はその生死を分けた年として語り継がれるだろう。逆風を受けた英BBCワールドワイドは同年3月、旅行ガイド大手ロンリープラネット社を1億2000万ドルで売却した。買収時の半額以下だ。
大部のガイドブックの消滅を嘆く声は少ない。今日の旅行者はもはや、皆で同じホテルに泊まり、同じレストランで食事し、同じ観光地を訪れるのを良しとしないのである。持ち歩きにかさばる紙の情報は、あっという間に古びてしまうという点においても不利だ。
もっとも、旅行ガイドブックにしかない魅力があるのも事実だ――手際よくまとめられた政治史、地元料理の用語集、地図に写真に文章、それに色あせた本が喚起する思い出も。
4.インターネットカフェ
一時は自国と海外をつなぐ重要な拠点だったインターネットカフェも衰退しつつある。急速に拡大する無線LANの犠牲となった格好だ。つい数年前まで、家族や友人と連絡を取る際、旅行者は1時間ほど異国のキーボードと格闘するのが常だった。