世界の大都市で人気、マイクロコンド
またニューヨークで住宅の設計をテーマとしたウェブサイト「アパートメント・セラピー」を運営するマクスウェル・ライアン氏によると、最近、マイクロコンドの開発業者は、セールスポイントとして部屋のデザインや実用性を強調しているという。この点について同氏は、若い世代の住宅選びにおける優先度の変化を業者が認識している証拠と分析する。
ライアン氏によると、若者はより狭い空間でも喜んで受け入れるが、それは適切に設計された物件に限られるという。「狭い空間を設計する時、実用性と拡張性を高める設計にする必要がある」とライアン氏は語る。
その好例が、カナダ・トロントのマイクロコンド開発プロジェクト「スマート・ハウス」だ。建築事務所「アーキテクツアライアンス」が考案したこのコンドミニアムは、無限と思えるほどの収納スペース、モダンな仕上げ、床から天井まである窓が特徴で、スタイリッシュな設計になっている。引き出しが食器洗い機や冷蔵庫になっており、カウチを畳むとベッドや壁になる。その一方で、浴槽やオーブンなど、いくつかの設備は省かれているが、これも若者のライフスタイルを考慮してのことだ。
「この世代は、都市で暮らしたいと考えている」とアーキテクツアライアンスのピーター・クルーズ氏は語る。
彼らは仕事がない時は、友人と外食するなど、都市生活を楽しんでおり、自宅では過ごさない。クルーズ氏は、若者たちは限られた予算でおしゃれなユニットが買えるなら、いくつかの設備がなくても喜んで受け入れると考えている。スマート・ハウスの販売価格は28万5000ドル以上になると見られる。