スーツケース車輪音を禁止へ、騒音防止と路面保護 ベネチア
(CNN) イタリア北部のベネチア市当局は22日までに、キャスター付きのスーツケースの使用を来年5月から禁止する方針を固めた。違反者には最大で500ユーロ(約7万3000円)の罰金を科す予定。
キャスターによる騒音解消と歴史的な路地の石畳製路面などへの損傷防止を狙った措置。罰金を避けるには空気注入式など無音のキャスターを使うしかないが、観光客には悩みのたねになりそうだ。地元紙ガゼッティーノによると、この新たな方針はベネチアの建造物条例に組み込まれる見通しとなっている。
ベネチアを訪れる観光客らは毎年約2200万人。市内では車の乗り入れは禁止されているため観光客らはスーツケースを引きずるなどして宿泊先へ向かっていた。地元住民は自宅の窓近くで鳴り響くキャスターの音がうるさく、睡眠の邪魔になるなどの不満を長年募らせていた。
イタリア地元紙メッサジェロによると、スーツケース車輪音の禁止はベネチア市の行政委員の発案。市当局者はスーツケースのキャスターの音や運送業者が用いる台車の騒音は深刻な不快感をもたらすと指摘していたという。
同委員はスーツケースなどの製造メーカーがベネチア向けの新製品開発に乗り出す契機にもなり得ると期待している。