一生に一度の巡礼を エチオピアの聖地を行く
(CNN) エチオピア北部に位置するラリベラ。この場所には毎年、エチオピア正教会のキリスト教徒が全国各地から一生に一度の巡礼に訪れる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産にも指定されている「新しいエルサレム」が存在しているためだ。
ラリベラの人口は2万人ほど。しかし、1月初旬の「ゲンナ」と呼ばれるエチオピア暦のクリスマスになると、その人口は5倍に膨れあがる。神を求める巡礼のために来た人々だ。
キリスト教徒だったラリベラ王は12世紀、中東エルサレムが1187年にイスラム教徒の手に落ちたことを受け、第2のエルサレムの建設を命令。お互いにつながった11棟の教会が手で山肌に彫り上げられた。最もよく知られているのは硬い岩をくりぬいて作った聖ゲオルギウス教会で、ギリシャ正教の十字架の形をしている。
完工には23年を要した。遠くから見ることはほとんど不可能で、北方から侵攻してくるイスラム教徒から隠れて礼拝する安全地帯をキリスト教徒に提供した。
ラリベラに往来する巡礼者を取材した写真家のタリク・ザイディ氏は「誰もがこの場所を知っているわけではないのは驚きだ」と指摘。ラリベラを「隠れた宝石」と形容する。