搭乗手続きは「顔パス」で 紙の搭乗券不要、プライバシー懸念も
(CNN) 航空機の乗客が搭乗券を忘れても、カメラに向かってほほ笑むだけで、搭乗手続きができるようになる日が来るかもしれない。
米税関・国境警備局(CBP)はこのほど、紙の搭乗券の代わりに顔認識技術を使って搭乗手続きの迅速化を図るシステムを披露した。
まずは米国から出国する乗客の搭乗手続き迅速化を目指す意向。パスポートと搭乗券を見せる代わりに、乗客がカメラの前に立つと写真が撮影され、政府のデータベースに登録された写真と照合して、本人と確認されれば出国を許可される。
当局者によると、米国民の場合、搭乗ゲートで撮影した写真はパスポート写真と電子的に照合され、12時間以内に消去される。
米国人以外の乗客については、米国への入国時に撮影した写真と照合され、写真は米国土安全保障省のシステムに保存される。
これに対して米自由人権協会などのプライバシー保護団体は、この技術が法執行の目的で拡大利用されかねないとして懸念を表明し、特に人種的少数派や女性の場合は誤認が起きる可能性もあると指摘した。
一方、CBPの幹部は、システムの精度について「98~99%の範囲内」と強調、「人種や性別による差は見られない」としている。
首都ワシントンに近いダレス国際空港では6日にこのシステムが記者団に披露された。システムは、同空港などを運営するワシントン首都圏空港公団が開発した。