米陸軍、退役軍用犬に慈悲なき処置 国防総省が批判
(CNN) 米国防総省の監察総監は8日までに、アフガニスタン軍事作戦に従軍した爆発物探知犬の任務が突じょ打ち切られた後、これら犬の民間などへの引き渡し作業がずさんだったとして米陸軍を批判する報告書を新たにまとめた。
アフガン軍事作戦に11年2月~14年2月の間に駆り出された犬は200匹以上。即製の爆発物攻撃の増加をにらんだ措置だったが、14年2月に急きょ中止となった後、2カ月内に犬を処置するよう指示していた。
報告書は、余りにも性急な指示だっただけに他の法執行機関や民間への譲渡で適切な配慮がなされなかったと指摘。陸軍は犬の体調を調べ、譲渡への順応能力の審査に当たるフォートブラッグ基地の獣医の助言を必ずしも聞き入れなかったとも述べた。
この結果、民間企業に委ねられた13匹が米バージニア州の犬小屋に1年以上放置される事例も生まれていた。民間の非営利機関2団体が介入し、軍の飼育員との再会を実現させていたという。また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を持つ犬を子どもがいる家庭に引き取らせる例も発見された。
陸軍は譲渡の際に必要となる去勢の措置を犬に施さなかったともしている。報告書によると、陸軍は軍務から離れた犬のその後を正確に追う手間も省いたともした。
米連邦下院の軍事委員会は16年、飼育員だった軍兵士がかつての愛犬との再会や引き取りを求める問題が浮上したことを受け、国防総省監察総監に調査を要請していた。
米陸軍は監察総監の今回の報告書を受け、資金を投じる軍用犬配属を将来再開した場合、任務から外れた後の処遇や譲渡をより適切に確認するための勧告内容に応じる姿勢を見せているという。