オバマ氏、トランプ氏を痛烈批判 「怒りにつけ込んでいる」
米イリノイ州アーバナ(CNN) オバマ前米大統領は7日、中西部イリノイ州の大学で演説し、これまでで最も痛烈にトランプ大統領を批判した。演説は過去2年間の米国政治のあり方を指弾する内容で、トランプ氏が「政治家が長年あおってきた怒りにつけ込んでいる」との見方を示した。
演説はイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で1000人以上の学生を前に行われ、オバマ氏が中間選挙で発信するメッセージを予見させる内容となった。その一方で、ワシントンの共和党勢力に対する最も大々的な批判も展開し、初めて名指しで公にトランプ氏を批判する形ともなった。
オバマ氏は学生に対し、進歩に対する反動の時代に「君たちは成人を迎えている」と語りかけた。こうした反発はトランプ氏とともに始まったわけではなく、トランプ氏は「政治家が長年あおってきた怒りにつけ込んでいるだけだ」と述べた。
オバマ氏は演説の大部分を連邦議会の共和党議員に対する批判に費やした。ここ数十年は「怒りと妄想に満ちた政治が共和党内に巣くってきた」とした上で、共和党指導部が進めている政策は保守的ではないと主張した。
これに対して共和党全国委員会は、「オバマ氏は再び脚光を浴びる舞台に戻ってきて、我が国が間違った道を進んでいると主張している」と反論。2016年の大統領選は終わったが、オバマ氏はいまだに、自らの政策の継続よりも経済成長を期するトランプ氏の計画を選んだ有権者を切り捨てていると述べた。
トランプ氏はノースダコタ州での集会でオバマ氏の演説に触れ、「見ていたが寝てしまった。オバマ氏は寝るのにちょうど良いことが分かった」と皮肉った。