山中で発見の遺骨、強制収容所の日系人男性と判明 米カリフォルニア州
(CNN) 米カリフォルニア州のシエラネバダ山脈で昨年10月に人骨が発見され、DNA鑑定の結果、第2次世界大戦中に近くの施設に強制収容されていた日系人男性の遺骨であることがこのほど確認された。
遺骨は10月初めに2人組の登山者が発見し、地元当局に通報。天候の回復を待って9日後に郡職員らが収容し、検視局へ送っていた。司法省によるDNA鑑定の結果、近くのマンザナー強制収容所にいたギイチ・マツムラ氏(当時46)と特定された。
地元保安官事務所の発表によると、マツムラ氏は家族とともに収容されていたが、終戦間近の1945年7月29日、釣りに出掛けた仲間とともに山の湖へ向かった。
同8月2日に仲間から離れて1人でスケッチをしに行き、嵐に遭って行方不明となった。一行はマツムラ氏が先に帰っていることを期待して山を下りたが、同氏の姿はなかった。
1カ月後に登山者が遺体を見つけたものの、山から運び出すことはできなかった。埋葬チームが現地へ出向き、妻のイトさんが用意した布で遺体を覆った。葬儀は収容所で執り行われたという。
収容所で行われたマツムラ氏の葬儀の様子/Inyo County Sheriff's Office
収容所跡のマンザナー国定史跡によると、マツムラ氏の家族は同収容所が閉鎖される45年11月まで、合計約3年間をここで過ごした。史跡責任者は、遺骨がマツムラ氏のものと特定されたことで、遺族の心にいくらかの平安が訪れることを願うと述べた。