トランプ氏、欧州からの入国30日間停止を発表 米国人や貨物は除く
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は、今後30日間にわたって、欧州からの旅行者の入国を停止すると発表した。トランプ氏は今回の措置について新しい感染者の入国を阻止するためと説明している。新しい対策の実施は13日深夜0時から。新しい規制は現場の状況によって調整もあるとしている。
適切な検査を受けた米国人については例外となる予定だという。また、今回の入国禁止措置に英国は含まれない。
米政府によると、今回の措置は先月から中国に対して適用している措置に似たもの。国土安全保障省が出した指針では、禁止対象は外国人のみで米国市民やその家族は含まれていない。
トランプ氏が国民に強いメッセージを発した裏側には、流行の要因を国外に求めようとする狙いがあるのは明白だ。
演説では、欧州より米国の方が新型ウイルスの発症例が劇的に少ないと指摘した上で、「欧州連合(EU)は同様の予防策や中国や他の感染拡大国からの渡航制限を実施しなかった。その結果、欧州からの渡航者が原因で米国内に新たなクラスター(感染者集団)が多数発生することになった」と述べた。
トランプ氏は、禁止措置について、大西洋を越えてくる「膨大な量の貿易や貨物」にも及ぶなどとしていたが、その後、ツイッターで、禁止対象は「物ではなく人」と釈明した。貿易停止の発言に伴い先物取引の価格に影響が出ていた。
トランプ氏は経済への悪影響を緩和する対策として、影響を受ける個人や企業の納税期限の延期を財務省に指示すると述べたほか、議会に対して給与税の減税実施を求めた。
今回の発表は航空や旅行業界に大きなダメージを与える可能性がある。米政権は影響を受ける産業への金銭的な支援を検討している。