トランプ氏が会見打ち切り、新型コロナ対策の見解問われ「中国に聞いて」
ニューヨーク(CNN Business) 米国のトランプ大統領は11日、定例の記者会見を突如(とつじょ)として打ち切った。直前にアジア系米国人のジャーナリストと激しいやり取りを交わし、質問に対して「中国に聞いてくれ」などと発言。後続の記者の質問に答えることも拒んで会見を終了した。
会見ではCBSニュースのウェイジャ・ジャン記者が、トランプ氏の新型コロナウイルス対策への見解を尋ねた。ウイルスの感染症で8万人を超える米国人が死亡している中、なぜ検査数を他国との競争と捉えるのか質問したところ、同氏は「おそらくその質問は中国に聞くべきだろう」「私ではなく、中国に聞いてくれ。よろしいか?」と返答した。
ジャン記者は中国で生まれ、2歳の時に米国に移住した。トランプ氏は次の質問者を指名しようとしたが、同記者は「大統領、なぜそのようなことを私に向けて言うのですか?」と重ねて質問した。
これに対しトランプ氏は「特に誰に向けて言っているのではない。誰だろうと悪意のある質問をする相手に対して言っている」と述べた。
ジャン記者は「悪意のある質問ではない」「何が問題なのですか?」と返したものの、トランプ氏はそれ以上応じようとしなかった。
続けて別の記者が「2点質問があります」と切り出そうとすると、トランプ氏は「いや、もういい」とこれを遮り、会見を打ち切った。
こうしたトランプ氏の一連の振る舞いには、厳しい批判の声が上がっている。
バーニー・サンダース上院議員はツイッターで、「とても痛々しい」やり取りだったとしたうえで、トランプ氏を「臆病者」と非難。「他者をけなして、強くなった気でいる」と指摘した。
このほかトランプ氏のジャン記者に対する発言については、人種差別や女性差別の観点から問題視する意見も出ている。