米CDCが新指針、無症状なら「検査は必須でない」 専門家から当惑の声も
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は新型コロナウイルス感染の検査について、感染者との接触歴があっても本人に症状がなければ「必ずしも受ける必要はない」とする新たな指針を示した。
CDCのこれまでの指針は、感染者と濃厚な接触があった人全てに検査を推奨。無症状や潜伏期間中の感染者も人にうつす可能性があるため、接触者を素早く特定して検査することが重要だと指摘していた。
一方、24日に更新されたCDCのサイトには、感染者と6フィート(約1.8メートル)以内で15分以上接触したが症状が出ていない場合、本人の重症者リスクが高いケースや、医師や、保健当局から指示されたケースを除き、必ずしも検査を受ける必要はないと書かれている。
さらに「だれもが検査を必要とするわけではない」とし、検査を受けた場合は結果が出るまで自宅に待機して自主隔離を続け、医師らの指示に従うよう求めている。
一方で、症状がなくても感染していてウイルスを拡散する場合があることを認識することも重要だと指摘。地域の保健当局が状況に応じて、無症状の「健常者」にも検査を受けるよう求める場合があるとしている。
CDCが現時点の試算として示した数字によると、感染者のうち40%は症状がなく、感染の50%は発症前に起きるとみられる。
指針の変更をめぐり、一部の医師からは「感染者と密接に接触した人でも検査を受けなくていいことになる」「検査不足が続いている状況を正当化するのが目的か」との声が上がった。
これに対して厚生省の報道担当者は、「新たな指針は接触追跡や監視目的の検査を否定する内容ではない」と説明している。