マスク拒否の客と口論は避けて CDCが新たな指針
ニューヨーク(CNN Business) 米疾病対策センター(CDC)はこのほど、小売業やサービス業の従業員らに向け、新型コロナウイルス感染対策のマスク着用に客が応じない場合も口論は避けるべきだとする指針を発表した。
新たな指針は、感染対策を求める店員らが暴力を受けるような事態を防ぐ目的で策定された。
米国に現在、マスク着用を義務付ける連邦法はないが、30以上の州が公の場でのマスク着用を義務化している。小売りやサービス業界の店舗などはそれぞれマスク着用や客同士の距離確保、入店者数の制限など、CDCの指針に沿って対策を講じてきた。
CDCはこの現状について、客を注意した店員が暴言を浴びせられたり、たたく、首を絞めるなどの暴力を受けたりする恐れがあると指摘。現場での対応策として、従業員を対象にトラブル解決法の研修を実施し、セキュリティーシステムを導入するなどの案を示した。従業員が危険を感じた場合の退避場所を店内に設けることも提案した。
特に、客が脅しをかけてきたり暴力的になったりした時に「言い争ってはいけない」と強調している。
マスク着用をめぐる暴力事件は全米各地で報告されている。東部ペンシルベニア州では今月、葉巻店でマスク着用を求められた男が店員に向かって発砲し、逮捕された。
ウォルマートなどの小売りチェーン大手は先月、暴力的な衝突を避けるため、マスクなしの客も拒否しないとの方針を相次いで発表した。