米ボストンのイベントで新型コロナの「超拡散」現象、2万の症例に関係か
(CNN) 米マサチューセッツ州ボストン地域で今年2月に開かれたイベントが、約2万例の新型コロナウイルス感染症と関係のある「スーパー・スプレッディング現象」だった可能性があるという研究結果を、マサチューセッツ工科大学(MIT)やハーバード大学など同州の研究チームが25日に発表した。
指摘されたイベントは、米国で感染が広がり始めた2月下旬に開かれたバイオテクノロジー会議で、200人が出席していた。
その後、この会議にかかわった人や接触した相手など、90人以上が新型コロナウイルス感染症と診断された。この場で1人あるいは数人の感染者から次々に感染が広がるスーパー・スプレッディング現象が起きていた可能性があると、研究チームは解説している。
この研究結果は25日、医学研究論文サイトの「medRxiv」に掲載された。同じ分野の研究者による査読は経ていない。
MITブロード研究所のブロンウィン・マキニス氏は、この会議を「不運なパーフェクトストーム」と形容し、およそ2万の症例に関係した可能性があると指摘した。
同会議が開かれたのは2月26~27日。この時点でまだ、米国ではパンデミックのリスクは認識されていなかった。「あと1週間遅ければ、このイベントは中止になっていただろう」とマキニス氏は推測する。
当時はまだ検査態勢が整わず、店舗や施設の閉鎖、ソーシャル・ディスタンシング、マスク着用といった対策も徹底されていなかった。
既に新型コロナウイルスが流行していた地域を訪れた人が米国に帰国して同会議に出席し、知らないうちに感染を拡大させた可能性もある。
地元紙ボストン・グローブは25日、このイベントについて、ボストン市内のホテルで開かれたバイオテクノロジー企業バイオジェンの国際会議だったと報じている。