新型コロナで父子が同時に死去 遺族が悲痛な思い語る
(CNN) 新型コロナウイルス感染症で父と息子をわずか1時間違いで亡くした遺族が25日、CNNの番組で悲痛な胸の内を語った。
米東部ロードアイランド州に住むダイアン・レミラードさんの夫ロンさん(享年72)は6月28日の午後2時45分、息子ダンさん(享年43)は同日午後3時48分に、それぞれ新型コロナウイルス感染症で死去した。
ダンさんの姉妹にあたるシンディ・アーチャンボートさんによると、先に発症したのはダンさんだった。介護施設の新型コロナウイルス病棟に勤務していたダンさんの妻がある時、検査で陽性反応を示した。続いてダンさん、さらに夫妻の末娘も陽性の判定を受けた。
ダイアンさんによれば、介護施設で暮らすロンさんは認知症で、息子のダンさんが入院したことを理解していなかった。
ダンさんの5週間の入院中、ロンさんも別の病院に収容された。ダンさんのほうも父の感染を知らなかったという。
ロンさんはベトナム戦争から生還し、ダンさんはバイク事故で一命を取り留めた過去がある。その2人が最後は「目に見えない」ウイルスに命を奪われるとは、とダイアンさんは嘆いた。
シンディさんは「こんな思いをほかの誰にもしてほしくない」と語り、ウイルスは「作り話ではない」と訴えた。
ダンさんに別れを告げるオンライン追悼式には100人以上が集まり、その最中にロンさんが息を引き取ったとの電話が入ったという。シンディさんは、仲の良かった父子が一緒に旅立つのは自然の成り行きだったのだろうと振り返った。