山火事で家失った7人家族、全員がコロナ感染 米
(CNN) マシュー・グレアムさんと妻のジェシカさんは先月、5人の子どもたちを連れて兄弟のところに出かけていた。その間、自宅のある米ワシントン州モルデンを山火事が襲い、一家は家屋と所有していた持ち物のほとんどすべてを失った。
それから2週間後、家族7人全員が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示した。
現在、一家は同州スポケーン・バレーにあるホテルの2室で自主隔離中。回復に努めながら、将来に向けた計画を立てているところだ。
9月7日のレーバーデー(労働者の日)に起きた山火事では、モルデンの消防署、郵便局、市庁舎、図書館などにも被害が及んだ。地元の保安官事務所が明らかにした。
グレアムさん一家の家屋や納屋は焼失。使わなくなった子ども服や家族の思い出の品などをしまっていた離れの物置きも失われた。ただ飼い犬は無事だったほか、ニワトリ小屋も被害を免れていた。
山火事の後、一家はグレアムさん夫妻の両親らと過ごしていた。新型コロナに感染したのはこの時だったと思われる。ジェシカさんの父親にはインフルエンザに似た症状が出ており、子どもたちの世話をしていたマシューさんの母親は先月20日、新型コロナへの感染が明らかになった。
一家にも症状が現れ始めたが、当初は有害物質を含んだ空気が原因だと思っていたとジェシカさんは振り返る。しかし空気の質が改善しても、症状は回復するどころかむしろ悪化したという。
どちらの親も入院することはなかったが、マシューさんの母親は両方の肺で肺炎を発症した。
マシューさんとジェシカさんはだるさに見舞われていたものの、現在は回復に向かっていると考えている。
5歳から12歳までの5人の子どもたちは、ときおり熱っぽさを訴えることがあった。しかし、次の日になれば症状は改善していたという。
マシューさんによれば、地域住民は一家に大変協力的で、家族で遊ぶ玩具やボードゲーム、衣服などを寄贈してくれた。資金調達サイト「ゴーファンドミー」では、一家のために2万1000ドルを超える寄付が集まっている。
ジェシカさんは、隔離を終えても引き続きこの地域に住みたいと話す。新しい家を購入するか、元の敷地内で家を再建するかは現在検討中だが、家族の気持ちは「常に前向き」だという。