米国在住者を脅迫して中国帰国を強要、米司法省が中国人含む8人訴追
(CNN) 米司法省は、米国に居住する中国の元政府当局者を脅迫して中国に帰国させることを狙った3年越しの計画にかかわったとして、中国籍の6人を含む8人を訴追したと発表した。8人のうち5人は逮捕され、残る3人は中国にいると思われる。
今回の事件は、中国国外へ逃亡した元当局者や資産家などの摘発を狙った中国共産党の汚職撲滅キャンペーン「キツネ狩り作戦」の一環だったと思われる。
米司法省の28日の発表によると、訴追された8人は中国の不法工作員として米国で活動した共謀罪などに問われている。この中には米国の資格をもつ私立探偵1人が含まれる。
被害者は2010年から米国に居住している中国の元政府当局者の男性。8人は2016年、この男性の娘に対する録画や嫌がらせを行ったり、自宅の玄関扉に脅迫状を張り付けたり、男性の父親を本人の意思に反して2017年に中国から渡米させ、中国に帰国するよう圧力をかけさせたりしたとされる。
ニュージャージー州の自宅に張り付けられた脅迫状は、中国語で「本国に戻って10年間刑務所で過ごせば、妻と子どもたちは大丈夫だ。本件はそれで終わりだ」と脅す内容だった。
司法省は記者会見で、「中国の本国送還部隊が我が国の政府と連携することなく米国に入国し、逃亡者とされる人物を突き止め、中国に強制帰国させる目的で脅迫などの手口を利用している。帰国すれば、不当な裁判に続いて投獄あるいはそれ以上に悪い事態に直面する」と非難した。
一方、中国外務省報道官は29日の記者会見で、「米国は基本的事実を無視し、隠れた動機を用いて逃亡や盗品を追及する中国の仕事を中傷している。中国はこれに断固反対する。米国に対し、直ちに過ちをただすことを求める」と反論した。