ハリケーン「ゼータ」で6人死亡、210万軒が停電 米南部
(CNN) 米南部ルイジアナ州に上陸したハリケーン「ゼータ」の影響で少なくとも6人が死亡し、29日現在、210万軒以上が停電に見舞われている。
ゼータは今シーズンに大西洋で発生した27番目の熱帯暴風雨。「カテゴリー2」のハリケーンとして28日にルイジアナ州に上陸し、29日午後には勢力を弱めて熱帯サイクロンになった。
現地時間の29日午後5時現在、強風を伴ってニュージャージー州南端に接近しているが、国立ハリケーンセンターによると、同日夜のうちに大西洋西部に抜ける見通し。
ゼータの影響でルイジアナ州では28日、送電線が落下して55歳の男性が感電死した。
同州では29日午前現在、ニューオーリンズの住民を含む約50万人が停電に見舞われている。
大統領選挙を間近に控え、投票所の停電も問題になっている。同州のエドワーズ知事は、投票所の復旧を優先すると表明した。対策本部を設置して、停電が続く場合は代替の投票所を手配する。
ルイジアナ州は、ハリケーン「ローラ」や「デルタ」でも大きな被害が出ていた。
強風により崩壊した住居=米ルイジアナ州南部ニューオーリンズ/Kathleen Flynn/Reuters
電力会社によると、29日午後現在、ジョージア、ルイジアナ、アラバマ、ノースカロライナの各州で170万軒以上が停電に見舞われている。
ジョージア州では29日午前、モバイルホームが倒木の下敷きになり、男性1人が死亡したほか、民家の寝室の上に樹木が倒れて2人が亡くなった。
ミシシッピ州では、マリーナで波の様子を撮影していた58歳の男性が高潮にのまれて死亡した。
アラバマ州クラーク郡では、建物が破壊されたり住宅の窓が吹き飛ばされたりするなど、大きな被害が出ているという。同州モービルのスティンプソン市長は29日午後6時半から30日午前6時半までの夜間外出禁止を宣言した。