米国民の新型コロナワクチン接種、12月第2週にも開始の見通し
ワシントン(CNN) 米政府で新型コロナウイルスワクチン開発の取り組みを指揮するモンセフ・スラウイ氏は22日、全てが順調に運んだ場合、早ければ12月の第2週にも米国民へのワクチン接種を開始できるかもしれないとの見通しを示した。
スラウイ氏はCNNの番組の中で、「我々の計画では、承認から24時間以内にワクチンを接種施設へ輸送できるようにする。従って、恐らく承認の1~2日後、12月11日か12日には、全米の全ての州で、予防接種を開始できるだろう」と語った。
製薬大手のファイザーは20日に、新型コロナウイルスワクチン候補の緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。FDAのワクチン諮問委員会は12月10日に会合を予定している。
日常生活が通常の状態に戻るために必要な集団免疫の獲得についてスラウイ氏は、「人口の70%程度が接種を受ければ真の集団免疫を獲得できる。それが実現できるのは来年5月ごろになるだろう」と予想した。
国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長もCBSの番組の中で、来年5月までに集団免疫を獲得できる可能性があるというスラウイ氏の見解について「完全に同意する」としながらも、そのためには国民の大多数が接種を受ける必要があると強調。「効果の高いワクチンがあったとしても、ワクチン接種率が比較的小さい40~50%にとどまれば、必要とされる集団免疫は獲得できない」「できるだけ多くの人にワクチンを接種してもらう必要がある」と指摘した。
世論調査機関ギャラップの最新調査では、FDAが承認した新型コロナウイルスワクチン接種が無料で受けられる場合、米国人の58%が接種を受けると答えている。