トランプ氏敗北の要因は「コロナ対応の不備」 陣営幹部が分析
ワシントン(CNN) ドナルド・トランプ前大統領が2020年に行われた大統領選で敗北した要因は新型コロナウイルスへの対応に有権者が不満を抱いたからだとの選挙後の報告書が明らかになった。トランプ氏は根拠を示すことなく不正が行われたために選挙戦に敗北したと繰り返し主張している。
トランプ氏陣営で世論調査の分析を担当したトニー・ファブリジオ氏が公表されている世論調査のデータを分析したところによれば、ジョー・バイデン氏のほうがトランプ氏よりも、新型コロナウイルスへの対応で評価が高かった。ファブリジオ氏がまとめた27ページにおよぶ分析では、新型コロナウイルスの感染拡大が重要州10州の有権者の中では「最も重要な問題」だった。そして、バイデン氏はそうした有権者の「約3分の1」を獲得した。ファブリジオ氏の分析は「ナショナル・エレクション・プール(NEP)」がCNNなどのメディアのために行った出口調査の結果を基にしている。
報告書によれば、トランプ氏は経済を重視する有権者の中では優勢だったが、バイデン氏は新型コロナウイルスを重視する有権者からの支持を得た。そして、新型コロナウイルスを重視する有権者の割合のほうが多かった。報告書の日付は2020年12月だが、今月に入って政治ニュースサイト「ポリティコ」が報じたことで注目を集めた。
ファブリジオ氏は、アリゾナとジョージア、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシン、フロリダ、アイオワ、ノースカロライナ、オハイオ、テキサスの10州に注目した。バイデン氏とトランプ氏はそれぞれ5勝している。仕事に対する支持率は10州でばらばらだったが、トランプ氏は新型コロナウイルスへの対応でマイナスの評価だった。
10州の有権者の4分の3はマスク着用の義務化に賛意を示しており、バイデン氏が有権者の大多数から支持を得た。トランプ氏は公の場でマスクを着用することを拒むことが多く、マスク着用をあざけることもあったほか、連邦政府によるマスク着用の義務化に反対していた。