トランプ氏から「聞くに堪えない」電話、前政権のコロナ調整官が明かす
(CNN) トランプ前米政権で新型コロナウイルス対策調整官を務めたデボラ・バークス氏が在任中に国内の感染拡大を指摘した後、トランプ氏から非常に不快で「聞くに堪えない」電話を受け取っていたと明らかにした。
バークス氏本人が、米東部時間28日夜放送のCNNのドキュメンタリー番組で語った。
同氏は昨年8月、CNNとのインタビューで、米国内の感染が「新たな段階」に入っていると指摘。3~4月の時点とは異なる激しい拡大がみられ、都市部と同じく農村部にも広がっていると明言した。
これがホワイトハウスの怒りを買い、トランプ氏から「非常に不快で直接的な、聞くに堪えない」電話があったという。ドキュメンタリー番組の司会者が電話で脅されたのかと尋ねたのに対し、バークス氏は「大変不快な会話だったといえる」と答えた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、米国で昨年8月までに確認された感染者は少なくとも552万7306人、関連の死者は17万3114人。トランプ氏はこの時点で、米国はうまく感染を抑えてきたと主張していた。
バークス氏はドキュメンタリー番組の中で、米国内の州や各都市が昨春の第1波で得た教訓を生かし、積極的な対策を取っていれば、その後の感染拡大を防げた可能性があると強調。第1波では約10万人が死亡したが、その後の死者は大幅に減らすことができたはずとの見方を示した。
CNNはトランプ氏事務所に同番組に対するコメントを求めている。