米CDC、中国路線の旅客機で汚水検査 新型コロナ感染対策
(CNN) 中国で新型コロナウイルスの感染が新たに急拡大している事態を受け、米疾病対策センター(CDC)が中国路線を持つ航空会社の便で機内の汚水を検査し、感染状況を見極める予備作業を実施したことが14日までにわかった。
米国の郡や都市などの保健衛生当局者で構成する団体幹部が明らかにした。1便でこの検査を行ったと判断しているとし、複数のフライトや1カ所の空港での検査に範囲を広げる可能性があるとも述べた。
最初の検査に応じた航空会社名やその時期は不明とした。この種の検査を今後幅広く実施するためには導入の方法などで航空会社との間で何らかの合意事項が必要になるだろうとしながらも、感染拡大を監視する有益なデータ収集方法であり押しつけがましい手段でもないと評価した。
米大手のユナイテッド航空はCNNの取材に、「CDCとは接触しており(検査への)参加の是非を検討している」と述べた。
中国での新型コロナの感染拡大について米政府は信頼し得る透明感を持ったデータが公開されているのかについて懸念を抱いている。米連邦政府の保健衛生行政当局者は先月、入院率の増加、特に死亡率に関する感染者数のデータ共有は限られているとの実情に触れていた。
感染検査も中国全土で減っており、実際の感染率の把握を難しくしていると主張した。
この中で米政府は最近、中国からの空路の渡航者に搭乗前の陰性証明の提出を義務化した。英国、オーストラリアやカナダも同様の措置を講じた。中国政府は対抗策を打ち出す構えを見せている。
中国は最近の感染状況について、自ら公表するデータは透明性を保っているとして低い水準の数字を公開している。急速な感染拡大や高齢者層の間の低調なワクチン接種率を踏まえ、米国や他国、世界保健機関(WHO)は一層のデータ共有を迫ってもいる。
米政府当局者によると、バイデン政権は中国がより多くのデータ公開に転じなくても、懲罰的な措置を発動することは現段階で一切計画していない。