中国が3年ぶりの規制緩和、家族との再会に喜び 「やっと全てが好転」
香港(CNN) 中国政府が3年近くにわたって続けてきた新型コロナウイルス対策の厳格な入国・入境規制が8日に緩和され、長い間離れ離れになっていた家族などが、喜びの再会を果たした。
中国国内主要都市の空港では、帰省する家族を到着ゲート前で待つ人たちの姿が見られた。到着した旅行者が防護服姿の係員に出迎えられ、数日から数週間、ホテルでの隔離を義務付けられていた従来の光景とは対照的だった。
北京に住むユーさんは幼い息子を連れ、北京首都国際空港でスペインからほぼ1年ぶりに帰国する夫を待っていた。
「(以前は)帰宅する前に隔離が必要だったので、今日のように夫を連れて帰ることはできなかった。夫に今日会えることにワクワクしている」とユーさん。やがて到着ゲートから姿を現した夫は、息子を両腕に抱きしめた。
コロナ禍で中国本土との往来がほとんどできなくなっていた香港では、これまで閉鎖されていた落馬洲駅で、住民が家族の帰りを待った。
結婚したばかりのフェリシア・フェンさんは、「この日を待ちわびていた」と話す。夫と会うのは、本土で数カ月前に結婚式を挙げて以来だった。
「夫が香港に来るのは初めて。食べさせたいものや行きたい場所がたくさんある」というフェンさんは、自分が生まれ育った中国本土の町は香港からそれほど遠くないのに、コロナ禍ではなかなか帰省して家族に会うことができなかったと振り返った。
「あれは本当につらかったけれど、やっと全てが良くなり始めたように見える」(フェンさん)
香港政府は香港と中国本土の間で1日6万人までの往来を認める方針で、8日には数万人が往来した。
中国政府は先月下旬、海外からの渡航者に対する隔離義務を1月8日から撤廃し、国際便の便数制限を緩和すると発表。この日から香港との往来も再開させる計画を5日に確認した。
海外からの観光客については、中国政府がまだゴーサインを出しておらず、中国への入国者は出発前の48時間以内に受けた新型コロナ検査の陰性証明提示を求められる。
それでも入国手続きは簡素化され、中国国民が国外へ旅行するためのパスポート申請手続きも始まった。これまでは観光旅行を抑制するためパスポートの発給は限られていた。