米国はデフォルトすべき、政権が歳出減に同意しなければ トランプ氏が発言
(CNN) トランプ前米大統領は10日にCNNが東部ニューハンプシャー州で開いた対話集会で、ホワイトハウスが共和党の要求する歳出減に応じなければ米国はデフォルト(債務不履行)をすべきだとの考えを示した。
有権者から米国政府の債務状況や今後の国の行方について質問を受けたトランプ氏は「我々は負債の清算を始めなければいけない。私は下院議員や上院議員に伝える。もし彼ら(民主党)が大規模な削減を認めなければ、あなたがたはデフォルトをしなければならないと。ただ、私は彼らがデフォルトをするとは思わない。それが起きて欲しくなくて、民主党は間違いなく降参すると考えるからだ。酔った船員のようにお金を使っているから、現状よりはその方がいい」と答えた。
司会者からこの回答について、ホワイトハウスが歳出減に同意しなければ米国がデフォルトすべきとの考えかと再度問われると、「国を救うために後日やるなら今する方がましだ。我々の国は死にかけている。非常に愚かな人間に破壊されようとしている」と述べた。
米国債は今年1月に議会の設定した債務上限に到達した。財務省は支払いを継続するために緊急措置を発動しているが、イエレン財務長官は早ければ来月1日にもデフォルトに陥る可能性があると警告している。
ホワイトハウスと共和党は膠着(こうちゃく)状態にある。下院共和党は債務上限の引き上げと引き換えに歳出削減を認めさせたい考えで、それに沿った債務上限案を通過させた。一方、バイデン大統領や議会民主党は債務上限の引き上げのみを主張し、歳出枠組みは後に対応する方針を示している。