11月の米大統領選に向けて警告灯、ミシガン州予備選のポイント
(CNN) 11月の米大統領選に向けて民主・共和両党の候補指名を争う予備選がミシガン州で27日に実施され、民主党は現職のバイデン大統領、共和党はトランプ前大統領がそれぞれ勝利した。だが、今回の結果をひもとくと、11月の再対決に軸足を移す両陣営にとって深刻な懸念材料が見えてくる。
以下にミシガン州予備選のポイントをまとめた。
11月に向けて警告灯
バイデン氏は勝利したものの、進歩派や若い有権者、アラブ系米国人の民主党員からは「支持者なし」の抗議票という形で警告が発せられた。パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルの戦争に対する姿勢を変えなければ、本選の行方を左右するミシガン州で大きく支持を失う可能性があるとの警告だ。
トランプ氏の立場からすると、ヘイリー前サウスカロライナ州知事あるいは共和党の「支持者なし」に票を投じた約3割の共和党員の分析はより難しいかもしれない。3回連続となるトランプ氏の指名獲得は数週間以内に決まる可能性があるが、共和党支持者のかなりの部分は反トランプ氏の立場を貫くか、まだ態度を決めかねている。
「支持者なし」運動は成功を主張
ミシガン州の民主党有権者に「支持者なし」を選ぶよう促す運動の支持者は、バイデン氏の注意を引くほどの票を集めたのだから、運動は成功だったと主張している。最大の問題はこれに追随する動きが出てくるかどうか、こうしたキャンペーンがそれぞれの州の予備選で多くの票を集めるかどうかだ。
ヘイリー氏に時間切れ迫る
ヘイリー氏はまたも形勢を変える勝利を収めることができなかった。時間切れが迫るなか、ヘイリー氏が勝利する余地は増えるどころか、むしろ減りつつある。
共和党の候補者選びは加速しており、来週の「スーパーチューズデー」では3分の1を超える数の党代議員を懸けた闘いが行われる。指名争いの舞台はどぶ板作戦が違いを生み出す序盤戦から、資金力と勢いがものをいう全国レベルの闘いに移ってくると、劣勢の候補が状況をひっくり返せる可能性は減る一方だ。
ディーン・フィリップス下院議員(民主党)は存在感薄れる
バイデン氏の対抗馬として出馬しているフィリップス氏は低迷が続く。イスラム組織ハマスとの軍事衝突でイスラエルを支持するバイデン氏に不満を持つ有権者はフィリップス氏ではなく、「支持者なし」票を投じることを選んだ。
フィリップス氏にとってはさらに不名誉だったのは、得票数がマリアン・ウィリアムソン氏と拮抗(きっこう)したことだ。執筆や講演活動を行うウィリアムソン氏は数週間前、勝ち目のない選挙戦を打ち切っている。