23年生まれの名前ランキング、男の子は「マテオ」急上昇 米政府の統計
(CNN) 米国で昨年生まれた子どもの名前のランキングが発表され、男の子は「Mateo(マテオ)」が急増したことが分かった。
米社会保障局(SSA)が最近発表したデータによると、ランキング上位の顔ぶれに大きな変化はなく、男の子の「Liam(リアム)」、女の子の「Olivia(オリビア)」がそれぞれ5年連続の首位。
トップ10に唯一初登場したのが「マテオ」で、前年の11位から6位に急浮上した。
赤ちゃんの名前に関する情報サイト「ネームベリー」のソフィー・キーム編集長は「マテオ」について、「少なくとも男の子側で、はっきりラテンアメリカ系と分かる名前が登場したのは初めて」と指摘した。
SSAによると、米国内で昨年、「マテオ」と名付けられた赤ちゃんは、史上最多の1万1000人あまりに上った。
「マテオ」は「神の贈り物」を意味する。キーム氏によれば、人気上昇は米国全体に占めるラテンアメリカ系人口の割合が増えていることと関係があるとみられる。子どもの名前に自分たちの出自を取り入れるケースは、近年ますます増えている。
また、「マテオ」という名前にはランキング上位のほかの名前と同様、文化を超えた魅力があると、キーム氏は指摘する。英語圏でこれに相当する「Matthew(マシュー)」よりも親しみやすいイメージだし、「オ」で終わる名前は最近のトレンドでもあるという。
男の子のトップ10では「マテオ」と入れ替わりに「Benjamin(ベンジャミン)」が姿を消した。
順位の上昇幅が最も大きかった名前は、女の子の678位に躍進した「Kaeli(ケイリ)」。SSAは、SNSに掃除や片付けなどに関する動画を投稿しているインフルエンサー、ケイリ・マクイーウェンさんの影響を指摘する。
インフルエンサーのケイリ・マクイーウェンさん/Manny Carabel/Getty Images
マクイーウェンさんはCNNとのインタビューで、自身の名前が人気を呼んでいることに驚いたと答え、子どもに「ケイリ」と名付けた人は聞いたことがなく、同じ名前の人にも会ったことがないと話した。
キーム氏によれば、「ケイリ」に次いで上昇幅が大きかった「アリツェル」も、先住民の女の子の名前を紹介したティックトックの人気動画で、真っ先に登場していたという経緯がある。
男の子で813位に急浮上した「Chozen(チョーゼン)」は、人気ドラマ「コブラ会」の最新シーズンで活躍する登場人物の名前だ。
昨年は映画「バービー」が大ヒットしたが、米国内で「Barbie(バービー)」と名付けられた赤ちゃんは、前年とほぼ変わらず32人にとどまった。バービーも恋人の名前「Ken(ケン)」も、ランキングの1000位以内には入っていない。