雌のヘラジカに襲われ男性死亡、子鹿の写真撮影試み 米アラスカ州
(CNN) 米アラスカ州の公安担当当局は、同州南部ホーマー市で雌のヘラジカと生まれたばかりの子鹿2頭を見つけた70歳男性が写真を撮ろうした際に襲われ、死亡したとこのほど報告した。
男性は自宅近くでこれら3頭を発見し、一緒にいた男性の友人と共に子鹿の写真撮影を試みた時、ヘラジカが攻撃してきたという。同当局者はCNNの取材に、初期情報として、ヘラジカは突進してきて1人を蹴ったと説明。別の1人にけがはなかったとした。
男性の遺体は司法解剖のため同州の検視当局に運ばれた。
一方、地元のテレビ局によると、男性の遺族は、父親の死去について「明らかにヘラジカの罪ではない。子どもをただ守っただけ」との声明を発表し、隣人らによるこのヘラジカの処分などを懸念する意見を伝えた。
父は野生動物のことについては経験を重ね、前日にも茂みが濃く、野生動物と偶然出くわす可能性があることに触れていたと指摘。「今回のことは不幸な愚か者が危険な事態に出くわしたような話ではない」とし、「リスクを認識しながら良い写真を撮るため、危険な瞬間に巻き込まれたものだ」と続けた。
アラスカ州の魚類鳥獣担当部局によると、大人になった雌のヘラジカは小さい個体でも重さが800ポンド(約363キロ)、身長は6フィート(約183センチ)まで成長する。
子鹿を伴っている場合、人間が近づくような事態に遭遇すればためらいなく攻撃を始めるという。公安担当当局者は州民に対しヘラジカの子どもに接近しての写真やペットとして飼うような行為は控えるよう促してもいる。
ホーマー市はキナイ半島に位置し、アンカレジ市からは南へ約220マイル(約354キロ)離れている。