米移民当局、トルコ人大学院生を拘束 名門大の留学生ら次々に突然の逮捕

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米タフツ大学の大学院生でトルコ国籍のルメイサ・オズトゥルクさん/Mahsa Khanbabai

米タフツ大学の大学院生でトルコ国籍のルメイサ・オズトゥルクさん/Mahsa Khanbabai

(CNN) 米マサチューセッツ州サマービルで、タフツ大学に在籍するトルコ国籍の大学院生が突然、米移民当局によって拘束された。米国では有名大学に通う外国人留学生や大学院生が次々に逮捕・拘束されている。

弁護士によると、トルコ国籍のルメイサ・オズトゥルクさん(30)は、タフツ大学のキャンパスに近い自宅アパート付近で25日に逮捕・拘束された。

防犯カメラの映像は、1人で歩いていたオズトゥルクさんを6人の私服警官が取り囲む様子をとらえていた。

トランプ政権が移民に対する摘発を強める中、テロ組織関連の活動にかかわったとして拘束される外国人留学生や大学院生が相次いでいる。この中にはコロンビア大学前の自宅で拘束されたパレスチナ人活動家のマフムード・カリルさんも含まれる。

国土安全保障省は26日、オズトゥルクさんについて「イスラム組織ハマスを支持する活動にかかわった」と発表した。具体的な活動の内容は明らかにしていない。

国土安全保障省の報道官はCNNの取材に対して27日、オズトゥルクさんが関与したとされる活動について「外交政策上、深刻な悪影響を与えかねず、米国の外交政策上の利益を損なう可能性がある」とマルコ・ルビオ国務長官が「断定した」と述べた。

ルビオ長官は27日、オズトゥルクさんがイスラエルのガザ軍事作戦をめぐる学生の抗議デモに関与したと主張した。証拠は示さなかった。

トランプ政権はこれまでに数百件のビザを失効させたとルビオ氏は語り、「恐らく300件以上。毎日やっている」と付け加えた。

タフツ大学は27日、オズトゥルクさんのビザが失効したと発表した。

弁護士によると、オズトゥルクさんは現時点で訴追されていない。オズトゥルクさんが留置されているルイジアナ州の移民税関捜査局(ICE)施設には、先に拘束されたカリルさんと、ジョージタウン大学のバダル・カーン・スリさんも移送されている。

「信念を理由に拘束された」

弁護士や家族によると、オズトゥルクさんはF1ビザを取得して2018年からフルブライト奨学金で米国に留学。コロンビア大学を卒業し、タフツ大学の大学院に進学した。

24年3月には大学新聞への寄稿で、ガザの衝突などを理由にイスラエル関連企業からの投資を引き揚げるよう求めた学生団体の要求をめぐり、大学の対応を批判していた。

この寄稿では、イスラエルについて「意図的な飢餓、パレスチナ市民の無差別虐殺、ジェノサイド(集団殺害)に該当するとされる行為」を指摘していた。

家族はオズトゥルクさんが信念を理由に標的にされたと訴えている。

カメラがとらえた突然の逮捕

人権団体が26日に公開した防犯カメラの映像には、歩道を1人で歩くオズトゥルクさんに私服警官6人が近寄る姿が映っている。

帽子にフーディー姿の警官に腕をつかまれたオズトゥルクさんが悲鳴を上げると、別の1人が隠していた記章を取り出して見せ、オズトゥルクさんの携帯電話を取り上げた。

直後に全員が自らの口と鼻を覆い隠し、一部はサングラスをかけて、1人がオズトゥルクさんを後ろ手に拘束した。

1分後、オズトゥルクさんは待機していたスポーツ用多目的車(SUV)に乗せられて、連行された。

弁護士によれば、ジョージタウン大学のスリさんも、同じように顔を隠した警官によって、夜間、妻と子どもの前で拘束されて連れ去られたという。

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