イスラエル軍発砲でガザ住民死亡 停戦発効後、初の死者
エルサレム(CNN) イスラエルとパレスチナ組織との停戦が21日発効したパレスチナ自治区ガザ情勢で、同地を実効支配するイスラム組織ハマスは23日、ガザとイスラエルの境界線近くで同日朝、農地に行こうとしたガザの農民1人がイスラエル軍の銃撃を受け、死亡したと述べた。
一方、イスラエル軍は境界線フェンスを突破しようとした暴徒に対して発砲したと主張。死者が出たとの情報は確認せず、調べていると述べた。境界線周辺の複数の地点でパレスチナ人約300人がイスラエルへの侵入を試みたとも述べた。兵士は、暴徒をフェンスから遠ざけるための対応規定に従って行動したとも弁護した。
停戦発効後、武力行使で死亡者が出たのは初めて。事件が停戦の行方に及ぼす影響は不明だが、戦闘停止が極めてもろい合意の上に成り立っている状況を見せ付けた。双方の衝突は停戦発効の翌日の22日にも報告されていた。
停戦合意では、戦闘停止に続きガザへの物資流入や人の往来を可能にする具体的な措置を決める運びとなっている。
ハマスの保健省の報道担当者によると、23日に死亡したのは21歳の青年で、他の19人が負傷し、ハンユニスの病院へ搬送された。
ハマスの保健省当局者によると、境界線付近では22日、23日の発砲が起きた同じ場所でパレスチナ人6人がフェンスに近付いた際、負傷する事件もあった。イスラエル軍は、ガザから3発のロケット弾がイスラエル領内に撃ち込まれたと発表した。2発は空き地などに着弾し、残り1発は迎撃したとも述べた。