バイデンと習氏が最後の首脳会談 「重要な関係」を強調
リマ(CNN) バイデン米大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が16日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開催地、ペルーの首都リマで会談した。
米国では来年1月にトランプ次期政権が発足するため、バイデン氏と習氏による首脳会談は今回で最後になる見通しだ。
両氏は冒頭で、米中関係を「世界で最も重要」と位置付け、慎重に対応しなければ世界規模の紛争を招く恐れもあるとの認識を示した。
非公開の会談では、米次期政権にも確実に持ち越されるさまざまな問題が双方から提起された。
習氏は米大統領選に言及し、「安定した健全で持続可能な中米関係を目指すという中国の目標に変わりはない」としたうえで、米国側に「賢明な選択を」「両大国がどうすればうまく付き合っていけるか、引き続き適切な方法の模索を」と呼び掛けた。
米国のバイデン大統領と会談する中国の習近平(シーチンピン)国家主席=16日、ペルー首都リマ/Manuel Balce Ceneta/AP
トランプ氏の名前は挙げなかったが、「中米関係が双方の国民の利益となる着実な進展を遂げるよう、新政権との意思疎通を維持し、協力を拡大し、食い違いに対処する用意がある」と表明した。
バイデン氏は会談で、台湾、経済、ウクライナ情勢、合成麻薬の中国製原料などをめぐる問題を改めて指摘した。核兵器をめぐっては、両首脳の間で新たに、人工知能(AI)に核を管理させないとの合意が成立した。
バイデン氏はまた、オバマ政権の副大統領として習氏に会ってから十年以上にわたったこれまでの関係を振り返り、「私たちの間でいつも意見が一致したわけではないが、常に対等の立場で率直な会話ができたことが肝心だ」と語った。