米政権、イスラエルの国内法違反を認定せず ガザ支援めぐり人道団体は逆の見解
ワシントン(CNN) バイデン米政権が、イスラエルは米国の法律に違反していないと判断した。現時点で政策の変更は行わない。米国務省報道官が12日に発表した。米政府はイスラエル政府に対して30日以内にパレスチナ自治区ガザ地区の人道状況改善に向けた措置を講じるよう求めており、12日がその期限だった。
米国の判断は、人道支援団体の見解とは対照的だった。人道支援団体によると、ガザの人道状況は悪化を続け、2023年10月に戦争が始まって以来、最悪の状態にある。特にガザ北部は「破滅的」な状況で、飢餓のリスクが差し迫っている。
米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は先月、イスラエル政府に対し、悪化するガザの人道状況改善に向けて30日以内に具体的な措置を講じるよう要求した。
その上で、そうした対策を講じなければ、バイデン政権の国家安全保障に関する覚書や米国内法に基づき、米国の政策に影響を及ぼす可能性があると通告。米国の対外援助法では、米国の人道支援を制限する政府に対しては安全保障支援を停止すると定めている。
国務省のパテル副報道官は12日、「我々は現時点で、イスラエルが米国の法律に違反しているとは判断していない」と述べ、イスラエルは一部の措置を講じたと説明。米国からの圧力がなければそれは実現しなかった可能性があると論じ、「ある程度の進展がある」「さらなる変化を期待する」と語った。
これに対して人道支援団体8団体は12日に合同で発表を行い、イスラエル政府は米国の基準を満たしていないどころか、ガザの状況を劇的に悪化させる行動を取っていると訴えた。