イスタンブールで3夜連続の抗議デモ、政府の開発計画に反発
イスタンブール(CNN) トルコのイスタンブールで、政府のショッピングセンター建設計画に反対する座り込みが30日未明まで、3夜連続で行われた。政府の利益追求姿勢を批判する声のほか、対シリア政策への不満なども背景にあるとみられ、警察の介入にもかかわらず参加者が増加している。
抗議運動が起きているのはイスタンブールの繁華街にあるタクシム・ゲジ公園。抗議の輪はフェイスブックやツイッターを通じて広がり、公園に集まった人の数は30日夜の時点で数千人に達した。
政府はこの公園にオスマン・トルコ時代にあった兵舎を再建するとともに、ショッピングセンターを作るという計画を進めている。トルコのアナトリア通信によればエルドアン首相は29日、「(抗議運動を)やりたければやればいい。われわれも決めたことは実行する」と述べ、計画を推進する姿勢に変わりはないことを示した。
エルドアン首相は立て替え計画は「歴史への敬意」に基づいているとも述べた。
一方、この計画には繁華街の土地を売って利益を得るためだとの批判の声があがっている。「(政府は)この計画を歴史の保存だと言っているが、それだけでは説明がつかない。そうではなく金のためだ」と、トルコ国内の開発計画を調査する団体「アーバン・ムーブメント・フォーラム」のエジェ・デミレル氏は言う。
抗議運動への参加者の数が増えたのは27日午後以降。計画への批判が広がるとともに、警察が2度にわたって催涙弾を使用したことで、かえって多くの人が集まった。
抗議のやり玉に挙がっているのは建設計画だけではない。公園に集まった人々からは、対シリア政策や夜間の酒類販売禁止規制など、政府の他の政策への批判の声も上がっている。