前大統領派36人死亡、移送中に脱走図り エジプト
(CNN) エジプトの首都カイロ近郊で18日、当局に拘束されたムルシ前大統領支持派の一部が拘置所への移送中に脱走を図った。内務省報道官によると、当局者らがこれを制止しようと対応し、拘束者36人が死亡した。
同報道官がCNNに語ったところによると、当局が拘束した前大統領派600人余りをカイロ北郊の刑務所へ運ぶ途中、1台のトラックで騒ぎが起きた。様子を見に行った当局者が人質となり、解放するために催涙ガスなどを使用して対応。この結果、拘束者36人が死亡したという。人質の当局者は重傷を負ったが、命に別条はなかった。
ムルシ前大統領の支持母体、ムスリム同胞団系の自由公正党は、死亡した拘束者が52人に上ったと主張。暫定政権のシシ国防相とイブラヒム内相に全面的な責任があるとして、国際社会による調査を求めている。最初に武装集団が車列を襲撃し、拘束者らを逃がそうとしたとの情報もある。
シシ国防相は同日、「エジプトにはすべての国民の居場所がある。われわれは流血を防ぐために力を尽くしている」「エジプト国民は統治者を自由に選ぶことができる。軍は国民の意思と選択を保障するための護衛にすぎない」と述べ、前大統領派に抗議活動の停止を求めた。
これに対してムスリム同胞団の報道担当者は、同国防相をはじめとする政権幹部が「血塗られたクーデターを美化しようとしている」と非難した。ムスリム同胞団はこの日、カイロ近郊で予定していたデモ行進を安全上の懸念から中止したが、北部アレクサンドリアなどでは激しいデモが続いた。