エジプト治安部隊、モスクのデモ隊を排除
カイロ(CNN) エジプト治安部隊は17日、首都カイロ中心部ラムセス広場のモスク(イスラム礼拝所)を占拠していたムルシ前大統領支持派のデモ隊を排除した。内務省報道官が発表した。
同広場では16日深夜から17日にかけ、治安部隊と衝突していたデモ隊のメンバー約1000人がモスクへ逃げ込んだ。食料や医薬品が欠乏するなか、政権支持派からの攻撃を恐れて立てこもっていた。
治安部隊側は当初、退去を求めて説得を試みたものの、モスクの尖塔から狙撃されたとして発砲を始め、銃撃戦の末にデモ隊を強制排除した。
暫定政権の報道官は「われわれが直面しているのは政治的な争いではなく、過激派勢力が仕掛けた戦いだ」と主張。デモ隊をテロリストと呼び、警察署や教会、民間人を攻撃していると非難した。また、前大統領の支持母体、ムスリム同胞団のメンバーで「平和な未来への道」を望む者は歓迎するが、そうでない者は法の裁きを受けると述べた。同報道官はさらに、外国メディアは偏った情報を伝えていると抗議した。
当局の発表によると、16日からの大規模な衝突により、全土で少なくとも173人の死者が出ている。内務省は同日、各地でムスリム同胞団のメンバー計1004人を拘束したと述べた。
エジプト情勢の悪化を受け、フランスのオランド大統領とドイツのメルケル首相は、対応を協議する欧州連合(EU)外相会合の開催を呼び掛けた。