エジプトで治安部隊とデモ隊衝突 51人死亡、268人負傷
カイロ(CNN) エジプトの首都カイロ市内や国内各地で6日、ムルシ前大統領の支持母体だったムスリム同胞団のデモ隊と治安部隊が衝突し、保健省によると51人が死亡、268人が負傷した。
カイロでは同日午後、ムスリム同胞団のメンバー数千人が市中心部のタハリール広場を目指し、ナイル川に沿ってデモ行進した。これを阻止しようとする軍や警察は、催涙弾を使ったり警棒で殴るなどして参加者を拘束し、デモを解散させた。参加者はナイル川を泳ぐなどして脱出した。
一方、タハリール広場ではエジプト軍の記念日を祝う行事が行われ、集まった人たちがダンスや花火を楽しむなどして祝賀ムードに包まれた。
保健省によると、この日の衝突ではカイロやギザなど国内各地で死傷者が出た。内務省は同日、暴動に関与したとして423人を拘束したことを明らかにした。
これに対してムスリム同胞団傘下の自由公正党は、「平和的な抗議活動に対する暴力や殺人などの犯罪」が行われたと抗議している。同胞団は9月の裁判所命令によって活動が禁止され、資産が凍結されていた。
今回のデモ隊排除は、軍を後ろ盾とする暫定政権が手段を選ばずムスリム同胞団を解散させようとする姿勢を改めて浮き彫りにした。