化学兵器査察団、シリア入り 完全廃棄に疑問の声も
(CNN) シリアの化学兵器廃棄を監視する化学兵器禁止機関(OPCW)の査察団が1日、同国の首都ダマスカスに到着した。一方でアサド・シリア政権が完全廃棄に応じるかどうかを疑問視する声も上がっている。
査察団はまず、化学兵器製造施設を破壊するための計画づくりに着手する。シリア国内で約50カ所の施設を訪れる予定だ。
一方、シリア軍から離反して亡命したザヘル・サカト准将は1日、CNNの番組でのインタビューで、アサド政権は完全放棄に応じる気がなく、保有する化学兵器の一部を隠したり、国外へ移したりしていると主張した。同准将は化学兵器使用を命じられたことに反発して亡命を決意し、化学薬品を別の無害な物質とこっそり入れ替えたこともあるという。
同准将によれば、シリア国内には秘密の隠し場所が4カ所あるうえ、イラクとレバノンに兵器が運び出されている。反体制派武装組織、自由シリア軍のイドリス司令官も最近、CNNとのインタビューで同様の疑惑を指摘したが、イラク、レバノン両国はこれを否定した。