「内戦は存在しない」 シリア外相が国連演説
(CNN) シリアのムアレム外相は30日、国連総会の演説で「シリアに内戦は存在しない。これは対テロ戦争だ」と語り、反体制派をテロリストと位置付ける従来の主張を展開した。
その上でムアレム外相は、「テロ」と名指しした反体制派について「正義も平等も認めず、権利や法を無視する」存在だと強調した。
国連安全保障理事会の決議に盛り込まれた化学兵器の廃棄については、安保理決議には言及しないまま、シリアは約束を守り、化学兵器禁止条約を履行すると強調。「同時に国際社会にも、中東での大量破壊兵器拡散に対する責務を負うよう求める」とした。
さらに、「テロリストにそうした武器を供給している者たちが法的責任を果たすかどうか」という未知の要因が存在すると述べ、国際社会による反体制派支援の動きを牽制(けんせい)。「我が国で毒ガスを使ったテロリストは、周辺および西側諸国から化学物質を供給された」と訴えた。
危機打開に向けた動きについては、シリア政府は政治的解決を望んでいるとしながらも、「罪のない民間人を犠牲にするテロリズムは容認しない。モスクや教会が破壊されるのを見過ごすわけにはいかない」と強調した。
国連ではシリアが合意を守るかどうかが注目されており、ムアレム外相のこの日の演説内容は、厳しい目を向けられることになりそうだ。