エジプト外相「来春までに政権移行完了」 国連で演説
(CNN) エジプト暫定政府のファハミ外相が28日、国連総会で演説し、来年春までに新政権への移行を完了するとの見通しを改めて示した。
ファハミ外相は、同国が「すでに正義と自由、民主主義という統治原理の確立に成功した」と強調。当初の構想に沿って議会選、大統領選を実施し、春までに新政権を発足させると述べた。
エジプトではムバラク政権崩壊後の選挙で選ばれたムルシ前大統領が7月に追放され、軍主導の暫定政府が発足した。前大統領の出身母体、ムスリム同胞団の支持者を中心とするデモ隊と治安部隊の衝突が激化し、裁判所が同胞団に活動禁止を言い渡すなど、不安定な情勢が続いている。
暫定政権による同胞団排除の動きが懸念されるなか、ファハミ外相は「暴力やテロ、扇動活動の放棄を約束する国民は全員、政治プロセスに参加することができる」と強調。女性の権利拡大や若年層への支援にも力を入れると表明した。
国連本部の近くではこの日、ムルシ前大統領派のグループと暫定政府を支持するグループがそれぞれプラカードなどを掲げてデモを展開した。