シリア化学兵器、廃棄求める安保理決議案採択
国連(CNN) 国連安全保障理事会は27日、シリアに化学兵器の廃棄を求める決議案を全会一致で採択した。
オバマ米大統領は、採決の前に演説を行い、シリアの化学兵器問題の政治的解決プロセスの進展に期待感を示す一方で、「シリアが本当に公約を実行するのかとの懸念の声があり、また依然として戦闘が続く中で化学兵器をどのようにシリアの国外に運び出すかという問題もある」と不安を口にした。
また米国のサマンサ・パワー国連大使も、国連安保理がシリアに拘束力のある義務を課すのはシリアの内戦が始まって以来初めてのことであり、大きな前進と評価したが、決議案は、かつて米国が求めていたような、シリアが義務を怠った場合に自動的に武力行使を認めるものではない。
また安保理会合に先立ち、化学兵器禁止機関(OPCW)がオランダのハーグで会合を開き、シリアの化学兵器禁止条約(CWC)への迅速な加盟を認める決議を採択した。
シリアは今月、同条約に加盟する意向を発表している。
OPCWの関係者は27日、30日に査察官の先遣隊がダマスカス入りし、通信拠点の設置と査察の準備を行うことを明らかにした。OPCWは、シリアの化学兵器廃棄の国際的な期限に間に合うよう、化学兵器を破壊するのではなく、無効化する方法を取るとしている。