「反体制派が査察団攻撃の恐れ」 アサド大統領が警告
(CNN) シリアのアサド大統領は24日までに、同国の化学兵器廃棄に向けて派遣される国際査察団が、反体制派から攻撃を受ける可能性もあると警告した。中国中央テレビ(CCTV)とのインタビューで語った。
アサド大統領は「どこかの国にけしかけられたテロリストが、仕事をさせないために査察団の任務を妨害する攻撃を仕掛け、それを政府のせいにするかもしれない」と述べた。
アサド政権はこれまで一貫して反体制派を「テロリスト」と呼んできた。大統領は一方で、「現時点では可能性があるというだけで、実際に査察団が入国するまでは知りようがない」と語った。
シリアの化学兵器を巡っては、米国のケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が今月14日に合意した枠組みに基づき、アサド政権が先週、保有状況の申告書を提出。来年の完全廃棄に向け、11月までに国際査察団が派遣されることになっている。
ただシリアが義務に違反しているかどうかについて、化学兵器禁止機関(OPCW)の執行理事会が判断すべきだと主張する米国と、国連安全保障理事会が決めるべきだとするロシアの意見が平行線をたどっている。
アサド大統領はインタビューで、同国が1000トン以上の化学兵器を保有しているのは本当かと問われ、「これまで何十年も製造してきた。大量にあるのは当然だ」と答えた。
すべての化学兵器を廃棄するためには、同国に査察要員数百人と、その警護に当たる兵士数千人を送り込む必要があるとされる。アサド大統領は、査察団の安全はシリア政府が保証しなければならないとの認識を示した。