シリアが化学兵器を移動か 米情報機関が注視
(CNN) シリアのアサド政権が保有する化学兵器を国際管理下に置く計画が進められる中、シリア政府が化学兵器を移動させる動きがあるとして、米情報機関が状況を注視していることが、CNNの取材で分かった。
複数の米政府当局者によると、この動きは米ロが9月14日にシリアの化学兵器を廃棄させる計画で合意した後、ここ数日の間に確認された。米国の衛星がとらえた写真に、化学兵器の保管場所を出入りするトラックの車列が写っていたという。ただ、トラックの行先や、積まれている荷物までは確認できていない。
ある当局者は「化学兵器が保管されていることが分かっている場所で動きがある」「申告するために動かしているのか、隠すために動かしているのかは不明だ」と語った。シリアの化学兵器は国際査察団による査察を控えている。
シリアは過去にも化学兵器の保管場所を移したことがあり、この時は反体制派の手に渡るのを防ぐ狙いとみられていた。しかし今回の移動の目的は分かっていない。
当局者によれば、オバマ政権はこの数カ月の間に、シリアの化学兵器が安全に保管されているという具体的な情報をロシアから入手していたという。しかし米情報機関は引き続き、衛星画像などを使ってシリアの動きを監視していた。
シリアの化学兵器保管場所を米国がすべて把握できているかどうかを巡っては、米情報機関の間でも見解の食い違いがある。