シリア大統領、化学兵器廃棄を約束 費用は推定980億円
(CNN) シリアの化学兵器処理問題でアサド同国大統領は18日、化学兵器の引き渡しや廃棄の費用に最大で10億米ドル(約980億円)必要との一部見通しがあると述べた。米FOXテレビが同日放映した会見で表明した。
シリア政府は同兵器の引き渡しなどに応じるとも強調したが、これに要する時間の枠組みは明らかでないとも述べた。米ロ両国はシリアの化学兵器廃棄に関する今月14日の合意で、廃棄作業は来年半ばまでに完了すると明示していた。
アサド氏は、化学兵器使用の有無を先月調べた国連調査団の再度の訪問を歓迎するとも指摘。シリア政府は同調査団の2度目の訪問を求めてきたとも語った。先月21日に化学兵器攻撃が起きたとされる首都ダマスカス郊外で現地調査した国連調査団の発見内容については時間の余裕がなく分析していないとしたが、調査団の作業は終了しておらずやるべきことがまだ多くあるのは確実とも語った。
その上で、化学兵器攻撃は政府ではなく反体制派が行ったのは明白であるとも強調した。
国連調査団のオーケ・セルストロム団長はCNNの取材に、再度のシリア訪問は早ければ来週中になるとの見通しを示している。
大統領はまた、化学兵器の申告、引き渡しや廃棄に合意したのは米国による軍事介入の脅かしとは無関係とも主張。「シリアはいかなる脅しにも屈服しない」とし、合意はロシアの提案に応じた結果だと述べた。