薄熙来被告の上訴、高裁が受理 中国
(CNN) 中国の山東省高級人民法院(高裁に相当)は10日までに、収賄などの罪で無期懲役の1審判決を受けた中国共産党の元重慶市党委員会書記の薄熙来(ポーシーライ)被告(64)の上訴を受理した。
薄被告は収賄で無期懲役、横領で懲役15年、職権乱用で懲役7年の有罪判決を受けていた。上訴期限は8日だった。
8月の第1審の公判では、薄被告は罪状を否認するとともに検察側の主張に強く反論した。
薄被告の裁判は中国では異例なほど透明性に配慮して進められたが、外国や独立系のジャーナリストの傍聴は認められなかった。
公判では党幹部やその家族らの裕福だが不安の多い生活の細部が明らかになり、一般の中国人にとってはエリート層の生活の一端を垣間見る機会となった。
故薄一波・元副首相を父に持つ薄被告は地方の要職のほか、商務相や共産党の政治局委員を歴任。一時は最高指導部である政治局常務委員会入りも近いとみられていた。重慶市のトップとなってからは組織犯罪に対する厳しい取り締まりを行った。
だが昨年2月、側近の王立軍・元副市長が成都市の米総領事館に亡命を求めて駆け込む事件が発生。王元副市長は米側に対し、薄被告の妻が殺人事件に関与したと伝えた。この事件の後、薄被告はすべての党の役職をはく奪され、失脚した。