安倍首相がインド訪問、背後に中国の影
(CNN) インドを訪問中の安倍晋三首相は26日、首都ニューデリーで開かれた「共和国記念日」の軍事パレードに出席した。中国が経済的、戦略的な勢力を強めるなかで、インドが日本との関係強化をいかに重視しているかがうかがえる。
インド政府は例年、関係強化を目指す相手国の首脳を共和国記念日に招待する。これまでにインドネシアや韓国の大統領が招かれてきた。
日本からは安倍首相の訪問に先立ち、小野寺防衛相が今月初めにインドを訪れ、安全保障分野での協力強化を話し合ったばかり。26日のパレードでは、インドの国産ミサイルなど最先端の兵器が公開された。同国は20日、核弾頭搭載可能な弾道ミサイル「アグニ4」の発射実験を成功させている。
インド海軍と日本の海上自衛隊は昨年6月、日本海域で初の合同演習を実施。12月にはインド南東部チェンナイ沖でも同様の演習を行った。両国は近年、インド南西部マラバル沖で米国、オーストラリア、シンガポールとの合同演習にも参加している。
アジア第2の経済大国である日本と第3位のインドは、ともに最大の経済国、中国との間に領土問題を抱えている。日本はこれまでも、中国への有力な対抗勢力としてインドに注目してきた。安倍首相は2007年の著書「美しい国へ」の中で、10年後にはインドとの関係が日米、日中関係をしのぐかもしれないと述べていた。