印パ両国で洪水、死者400人超に さらに被害拡大か
(CNN) インドとパキスタンを襲っている洪水被害で、両国政府当局などは11日までに、死者はさらに増え、400人を超えたと報告した。パキスタンで257人、インドで少なくとも150人となった。
負傷者は両国でそれぞれ数百人規模。パキスタン当局は、今後も降雨が続くとの予報に加え、洪水の水が他の人口密集地域に新たに達する懸念もあるとし、最悪の事態はまだ回避されていないとの判断を示した。インドの気象観測当局も多数の州で今後数日間、大雨もしくは極度の大雨が予想されるとし警戒を呼び掛けた。
洪水でこれまで進入出来なかった地域の被害概要が今後判明すれば、犠牲者がさらに膨れる可能性もある。
インド北部のジャム・カシミール州の州都スリナガルでは浸水が激しく、住民は屋根や高地の場所に避難し、救出を待つ事態となっている。地元メディアによると、旧市街では多数の建物が崩壊した。橋や道路も被害を受けたため、軍の救出活動も順調に進んでいない。
パキスタンでもここ数日間、豪雨が続き、主要な河川が氾濫(はんらん)し、洪水が起きた。同国の国家災害対策当局者によると、堰(せき)などの水位が上昇したため、洪水が北部だけでなく南部のシンド州でも発生し始めた。
当局者は、国家的な危機の様相を呈し始めたとし、最悪の事態が今後到来することへの危惧を表明した。北部の被災地では住民の救出作業が実施され、8日時点で計1万8227人が助け出され、北部パンジャブ州の避難施設へ搬送された。
雨期ともなるモンスーンの季節は約4カ月続くが、緩和の兆しはまだない。インド亜大陸の西部地方では例年、9月初旬までに最後の降雨が観測される。