エボラ感染拡大止まらず、ゲイツ財団が53億円寄付
(CNN) 米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏夫妻の慈善団体ビル&メリンダ・ゲイツ財団は10日、西アフリカで感染が広がっているエボラ出血熱への対策を支援するため5000万ドル(約53億円)を寄付すると発表した。
感染者が集中しているギニア、リベリア、シエラレオネではこれまでに2200人以上がエボラ出血熱のために死亡した。ナイジェリアとセネガルでも症例が報告されている。
ゲイツ財団の寄付は、国際援助団体や各国政府による物資調達と現地での対策の強化に充ててもらう方針。さらに「公共、民間セクターと連携して、患者の治療と感染防止のための治療法、ワクチン、診断法の開発を急ぐ」とした。
エボラワクチンは米国立衛生研究所で先週から初の臨床試験が始まっている。
史上最悪とされる今回の流行を巡り、世界保健機関(WHO)は8日、リベリアの感染拡大に減速の兆しは見えないと述べ、「新規の症例数が激増している」と伝えた。
感染の不安に駆られた人たちは一家でタクシーに乗ってリベリアの首都を行き来し、治療を受けられる場所を探し回っている。しかしそうした人たちを受け入れるための施設が足りず、「新しい治療施設が開設されるとすぐ患者が詰めかけていっぱいになる」状態だという。
米国は9日、エボラ対策のため先に表明していた1億ドルに加え、1000万ドルを追加拠出すると発表した。米国際開発庁(USAID)も7500万ドルの拠出を発表している。