AU軍兵士がソマリア女性に性暴力 人権団体が報告
(CNN) 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは8日、ソマリアの女性たちの間でアフリカ連合ソマリア・ミッション(AMISOM)の兵士らによる強姦や性的暴行の被害が相次いでいるとの報告書を発表した。
報告書によると、ウガンダやブルンジの兵士らはソマリア人の仲介者を通し、人道支援を装うなどさまざまな手口で、成人女性や少女らに性行為を強要したり、性的暴行を加えたりしている。
調査では被害を受けた女性21人から話を聴いた。ある少女(15)は病気の母親のために薬を入手しようと基地を訪れた際、ブルンジ兵に強姦されたという。
AMISOMは、ソマリア軍によるイスラム過激派組織「シャバブ」の掃討作戦を援護し、人道支援に協力することなどを任務として同国に駐留している。
アフリカ連合(AU)は報告書の発表を受けて「懸念」を表明し、徹底調査を約束した。しかし一方で、報告書は「偏った不正確な見方」に基づいていると反論。「少数の事例を一般化して結論を導き出している」と批判した。
これに対してヒューマン・ライツ・ウォッチは、「デリケートな問題なので被害者や目撃者の証言を得るのが難しく、暴力がどこまで広がっているかについては見解を示さなかった。しかしこの内容自体に重大な懸念を抱いている」と述べ、AMISOM参加国や対ソマリア支援国による迅速な対応を求めた。
ソマリアの首相府は9日の声明で「深刻な疑惑」への懸念を表明し、政府主導でただちに徹底調査を実施すると述べた。