シエラレオネ、エボラ熱対策で3日間外出禁止へ
フリータウン(CNN) シエラレオネ政府はエボラ出血熱の感染拡大を防ぐため、全国で19~21日に外出禁止措置を実施すると発表した。これに対し、効果を疑問視する声も上がっている。
期間中、国民は自宅から出ることを禁じられ、ボランティアが各家庭を訪問して予防法の説明や患者の特定に当たる。政府は19日までに2万1000人のボランティアを養成し、救急車などを手配する予定だ。
カヌ情報通信相は「病人を見つけて健康な人々から離すには、現時点でこれが最良の方法だ」と説明する。住民が訪問に抵抗を感じないよう、ボランティアは地元の若者らで構成するという。
しかし国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は、この措置で感染拡大を防ぐことはできないと主張。「大規模な強制隔離や外出禁止は国民と医療従事者との信頼関係を損なう。発症の可能性があってもそれを隠そうとする意志が働き、患者を医療体制から遠ざけてしまう」と懸念を示す。
隣国リベリアでは先月、エボラ出血熱のまん延を阻止する目的で首都モンロビアのスラム街を隔離したが、この措置が暴動につながった。
シエラレオネでのボランティアのうち、医療従事者が占める割合は不明だ。MSFは、家庭訪問で患者を見つけるためにはある程度の専門知識が必要とされるうえ、たとえ見つかってもその人数に対応できるだけの診療施設がないと指摘している。